こんにちは!
関東地区チューターの古田崚馬です。
皆さんの近所は魅力的だと言えるでしょうか。私は郊外の丘の上に住んでおり、その丘の崖には 緑地が残され、小さな渓流が流れています。このような小さな自然はとても魅力的です。 一見すると無個性な住宅街でも、よく見てみると思わぬ発見があるかもしれません。
さて、2021年11月9日(火)に、関東地区第5回定例会がオンラインで開催されました。 今回の定例会から12月、1月にかけて、内容を固定して定例会を行います。 一つは、派遣先CSOごとの発表です。活動内容のうち、印象に残っているものを1つ、5分間発表します。 もう一つは、関心テーマごとのディスカッションです。グループのメンバーを固定し、数名で 関心分野について話し合います。 これまでに比べ、より一層ラーニング生一人ひとりの個性が光った定例会でした。
【第1部】CSOごとの発表(最も印象的だった活動)(60分間)
この発表会の一番の目的はアウトプットの機会をつくることです。自分の団体での活動から、 最も印象に残っているものを1つ振り返り、みんなにその活動の概要、達成できたこと、反省点、 気づき、そして活動の喜び等を共有します。 定例会3回分で、CSOの団体毎に全員、発表の機会があります。 今回は以下の6つの派遣団体からのプレゼンがありました。各々の要旨をまとめます。
①環境文明21 [政治家アンケートに学ぶ]
政治家に環境倫理と政策に関するアンケートを取り集計した。 回答率は46%と低く地域や政党毎に差がある。なぜ政治家は環境倫理を持つ必要があるかという 問いを立てられた。結果を広める上で仲間作りは重要だと感じた。
②オイスカ [ミャンマー募金の広報活動]
Instagramのアカウントを作り、情報を発信しミャンマー募金を呼びかけた。 9月の1ヶ月間でフォロワー600人を達成し、数名の方から支援を頂けた。 ミャンマーの人に勇気を与えられた。思いを行動に移さない限り何も始まらない。
③CIジャパン [環境負荷の計算]
2050年カーボンニュートラルに向け、派遣先CSOの活動における環境負荷を計算した。 数字を算出するのは大変だったが、数字を出すからこそ目標達成の難しさが分かり、皆で考える 一歩となり具体的な対策への議論が出来る。
④自然環境復元協会 [レンジャーズプロジェクト自主説明会実施]
環境保全活動リーダーを募るため自ら遠隔説明会を企画。 インタビュー動画の活用等、現場の雰囲気を伝える工夫をした。 これからの課題は、作業の写真や映像等の視覚的情報を充実させることと、想定問答集を作ること。
⑤樹木・環境ネットワーク協会 [八ヶ岳で木道整備]
長野県八ヶ岳で、人の踏圧から苔の森を守るため3日間にかけて「木道」を整備した。 森は整備されることで保たれることを知ることが出来た。 多くの人との共同作業により木道が完成したときには大きな感動を味わった。
⑥高木仁三郎市民科学基金 [オンラインイベントの運営]
社会課題に対して、科学的根拠に基づいた市民科学の多様なアプローチがあることや、 助成先団体が課題解決後の社会を見据えた活動をしていることが分かった。 科学者として、研究との向き合い方を見直す機会となった。
各発表後は、様々な感想や質問が出ました。例えば、「短い期間でフォロワーを増やす方法を 知りたい」、「SNS強化の面では、現場の雰囲気を分かりやすくするという点を見習いたい」 という意見です。チャット機能も使う事で、気軽に考えを述べられました。
発表を聞くことで、同期のメンバーがどういう活動を、どのような姿勢で取り組んでいるのかが よく分かったと思います。 5分間のプレゼンの内容や構成は6団体でそれぞれ異なり、個性が出ていました。 特に、この制度に参加する理由、将来に生かしたい事などの個人的な背景を絡めた発表が印象に 残っています。残りの団体の発表も楽しみです。
【第2部】関心テーマについてのディスカッション(25分間)
残り3ヶ月で、関心分野ごとにその課題の解決方法について議論をします。 「その問題を解決するために私たちが取り組むこと」をラーニング生全体に発信することが ゴールです。テーマは以下の6つがあります。
・気候変動
・生物多様性
・エネルギー問題
・ごみ問題
・エシカル消費
第1回目の今回は選んだ関心分野についてメンバーと共有しました。 なぜそのテーマに関心があり、どのような問題意識を抱いているのか、という内容です。 自分の大学での専門分野に関わりのある人もない人も、フラットに議論が出来る良い機会だと思います。 私のいるグループでは、問題意識を持っている事柄が各自で異なり、視野が広がったのではないでしょうか。 他のグループは見えないのでどんな話し合いをしたのか気になります。最終発表が楽しみです。
第2回では問題解決に向けた取り組み方法を議論し、最終回では「私たちが取り組むこと」を発表します。
今回の定例会を受けて、やはりラーニング生は個性的であり、もっともっと交流してほしいと思いました。 プレゼンを聞いていると、これまでの定例会では見えなかった「活動のやりがいや喜び」が伝わってきました。 さらに、そのプレゼンに対して多くの質問がチャットに書き込まれ、まだまだ話し足りないのではないか、 と感じました。一人1回ずつ必ず発表する機会があります。この機会を存分に生かしてほしいです。残りの発表も楽しみです!
関東地区チューター 古田 崚馬
こんにちは。SOMPO環境財団の瀬川です。
今回は11月10日(水)に開催された、「市民のための環境公開講座」PART2・第3回の レポートをお届けします。
今回はPART2「企業が取り組むサステナビリティ」の第3回ということで、オールバーズ 日本法人マーケティング本部長の蓑輪光浩さんを講師に迎え、「カーボンニュートラルな 世界を目指す、オールバーズ」をテーマに講演いただきました。
オールバーズという企業、皆さんはご存知でしょうか?冒頭でアンケートを取ったところ、 おおよそ2割くらいの方が「知っている」と回答されていました。日本での一般的な認知度は まだこれから、という段階かもしれませんが、海外セレブやトップアスリートを中心に熱狂的な 支持を集めるスニーカーブランドで、これからどんどん耳にする機会が多くなるかもしれません。
オールバーズはアメリカのサンフランシスコで2016年に創業された企業です。元プロサッカー 選手のティム・ブラウン氏と、再生可能エネルギーの専門家、ジョーイ・ズウィリンガー氏という、 まったく専門分野の異なる二人が立ち上げたブランドです。スポンサー付きで派手な装飾の スニーカーに疑問を感じていたティムが、「ミニマルなデザインのウール製の靴を作る」という 着想から、「シンプルに、快適に」をコンセプトに起業をしました。
この靴はシリコンバレーを中心に大ヒットし、TIME誌でも「世界一快適な靴」と称されています。 レオナルド・ディカプリオ、バラク・オバマ、ティム・クックといった錚々たる方たちが愛用 しているブランドということで、2019年に日本に進出した時には大きな話題を呼びました。 実は昨年世界で一番売り上げの多かった店舗は原宿店だったそうです。
オールバーズの大きな特徴として、企業哲学の中心に「サステナビリティ」を据えていることが 挙げられます。オールバーズは「2030年カーボンニュートラル」を目指して(世界の目標 より20年早く!)、「ビジネスの力で気候変動を逆転する」と明言しています。 サステナは儲からない、という風潮が根強くありますが、ビジネスの力でこの常識と行動を変え、 しっかりと収益を上げながら持続可能な世界を実現することを目指しているとのことでした。
その目的を達成するため、ウール素材で洗濯ができる商品づくり(廃棄されないための工夫)、 商品ごとにカーボン・フットプリントを表示する(しかもカーボン・フットプリントが以前の 商品を上回るものは開発しない)、サトウキビ製のソール開発(オープンソース化して競業他社 にもノウハウ提供)、Bコーポレーションの認証取得など、これまでの常識に捉われない、 徹底した取り組みを行っています。
20年先を見据えたサステナビリティの取り組みは、「孫の世代に「何をしていたんだ」と 言われないように」という強い意志で臨んでいる、というお話はとても印象的でした。
講義全体を通じて、企業のミッション、ビジョン、課題、目標、自己認識やターゲットといった すべての要素が非常に分かり易く言語化され、企業内で共有化されていることが伝わってきました。 蓑輪さんからは、「ぜひ店舗に足を運んでほしい、当社のミッションを一番熱く語るのは店舗の スタッフです」とのお話があり、私も一度店舗スタッフの方から話を聞いてみたくなりました。 (実際に店舗スタッフがすばらしい!という参加者からの声もありました。)
サステナビリティを中心に据えながら品質の高い商品で収益をあげ、明確な言葉で目的や課題の 共有が図られている。新しい時代の企業の在り方を教えていただけた講座でした。
今回の講座で、「市民のための環境公開講座」PART2「企業が取り組むサステナビリティ」は 終了となります。
次回からのテーマは、PART3「わたしたちにできる選択」です。
第1回は11月23日(火)13時30分から(※)、「地球にやさしい食を探す旅」をテーマに、 立命館大学・食マネジメント学部教授の天野耕二さんに講演いただきます。 ぜひご視聴ください!
※これまでの講座と開始時間が異なりますのでご注意ください!
<市民のための環境公開講座・お申込み>
https://www.sompo-ef.org/kouza/kouza2021/
SOMPO環境財団・瀬川