2020 11,16 10:04 |
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こんにちは、SOMPO環境財団の長沼です!
with コロナを踏まえて “無料のオンライン講座”として開講している
『市民のための環境公開講座』。 Part2の第二回は、「新しい資源循環の道を目指して」と題して、
中部大学経営情報学部長・教授の細田衛士氏にご講演をいただきました。 今私たちは“新型コロナウィルス”という大きな社会的な課題に苦しんでいますが、
細田さんによると、人類の歴史の中には常に疫病との闘いがあり、私たちは何度も
その試練を乗り越えてきたのだそうです。 そして、ペストの後に宗教改革が起こり、コレラの後に公衆衛生の概念が生まれた
ように、疫病の時代の後には必ず新しい何かが生まれています。 では新型コロナの後には何が生まれるのか?それは、新しい資源循環の上に成り立つ
「緑の資本主義(グリーン・キャピタリズム)」です。 コロナ禍で感染防止のためのプラスチック容器や包装の利用が増えました。
ですが、一方で新素材やバイオプラスチックが開発され、ライフスタイルとして
マイボトルを持ち歩く人も増えています。 この新たな危機に直面し、徐々に「廃プラ」「脱プラ」の動きが加速してきている
ように見えます。 ただ、それでもまだ必要なプラスチックは多いですし、言い換えれば、
プラスチック無くしては今の社会は成り立たなくなってもいます。 そんな時、社会にとって不可欠なプラスチックを削減していくカギは
「ウェイスト・ヒエラルキー(廃棄物処理の優先順位の原則)」 と細田さんは仰います。まず「発生回避」、そして「リユース」「リサイクル」
「熱回収」「適正処理・処分」の順に検討し、とにかくプラの総使用量を減らす、 減らせないものは資源として循環させる。また、現在は、物質的な豊かさよりも 心の豊かさが求められる時代であり、人々の価値観は多様化してきています。 プラスチックが減少して、手に入る“モノ”が減ったとしても、その代わりに得られる 「環境配慮や次世代への配慮」などの“コト(事実として得られる精神的な豊かさ)” を求める人々が増えていることも、このヒエラルキーの成立を後押しするのだそうです。 アフターコロナの時代においては、高付加価値な商品を長く使うことで廃棄物の
発生を回避し、高度な資源の循環利用により資源効率性の向上、将来世代への配慮 といった「新たなる市場化できない付加価値」を生み出すことが、緑の資本主義を 形作る鍵となります。 そしてそれが根付いた時に、“経済”、“環境・資源”、“社会”のトリプルウィンが
実現されるのです。 今回は少し難しいお話ではあったものの、この閉塞感のある時期に、希望が持てる
ストーリーを伺えたことは大きな収穫でした。 次回Part2の最終回は、11月17日(火)18:30~19:45。
『楽しく取り組む「捨てない」暮らし』と題して、
翻訳者の服部雄一郎氏と、パン屋さんの田村陽至氏に 対談形式でご登壇いただきます。
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