2022 01,24 14:40 |
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こんにちは!
関東地区チューターの古田崚馬です。
先日は珍しく関東地方平野部にも、どかっと雪が積もりましたね。
キャンパス内に雪だるまが現れ、一変した街の風景を味わいました。 さて、2022年1月14日(金)に、関東地区第7回定例会がオンラインで開催されました。 内容は二本立てです。一つは派遣先CSOごとの発表。活動内容のうち、印象に残っているものを 1つ発表します。もう一つは、関心テーマごとの話し合い。今月はいよいよ最終発表です。 今回は、インドネシア交流会でお世話になった、JEEFの矢田誠さんがオブザーバーとして参加され、
「日本の皆さんのご活躍を見て、インドネシアの活動でも参考にしたい」と述べられました。 最終回、よい緊張感の中で始まります。 【第1部】CSOごとの活動発表 (60分間) 自分の団体での活動一つ振り返り、みんなにその活動の概要、達成できたこと、反省点、気づき、
そして活動の喜び等を共有します。今月は以下の6つの派遣団体からのプレゼンがありました。 それぞれの要旨と、発表に対する感想や質問をまとめます。 ①ECOPLUS 体験を重視した人材育成の一つとして「芝・ネイチャー大学校」という活動がある。
東京都港区在住の親子が茨城県阿見町を訪れ、自然体験や農業体験を通して自然と親しみ 農村部の人々と交流する。運営スタッフとして参加し、自然との触れ合いは人々の心を豊かに 出来ると感じた一方、環境問題に関心のない人へのアプローチが難しいと思った。 (感想・質問) ・大都会に住んでいて自然に身を置く体験の重要さは共感できる。
・私自身、フィールドに出ることが大好きで、コロナで不自由な世の中でもどかしい思いを
していた時期もあった。フィールド活動が主体のECOPLUSにおいて、フィールドに出られない 時期の辛さなどはどう紛らわしていたか? ②共存の森ネットワーク 「聞き書き甲子園」は、全国の高校生が「名人」と呼ばれる林業家や漁師、伝統工芸士を訪ね、
名人の人生をまるごと聞く活動である。聞き書き甲子園の卒業生へのインタビュー記事の作成を 通して、企画から行うことの大変さを痛感し、また自分のインタビューを客観視できた。 SNS投稿では投稿の雰囲気をツール(Twitter,Instagramなど)ごとに変える工夫をした。 自然と向き合ってきた第一次産業従事者の知恵や考え方は無駄にしてはいけない。 (感想・質問) ・他のラーニング生からアドバイスをもらったそうだが、上手に活用できた、役に立った
アドバイスなどがあれば教えてほしい。 ③WWFジャパン 広報の部署での活動を通して「国語力」が最重要だと感じた。自分の考えを言語化して伝える
ことに長けている職員の方を見習いたい。 また、国立公園内での地熱発電所開発に関する調査を行った。調べると参考になる資料が少ない
と感じた。一般の人が環境について判断するのは難しい。そういう方々のためにある程度専門性を 持ったCSO等が活動する意義があるのではないか。 (感想・質問) ・私は来年からちょうど地熱発電に関わる企業に就職する。日本は地熱のポテンシャルが高いのに、
国立公園に位置することが多く開発が困難だという問題は興味深い。 ・ちょうど先月WWFの方が大学に講演をしに来られ、集合写真にラーニング生の方々も写っていて
感動した!WWFという知名度の高い大きな組織だからこそ“国語力”の持つ力はとても大きい と思う。 全国各地の環境教育に関わる方が交流する「清里ミーティング」、教職員など環境教育を行う
人に向けてのリーダー育成講座、SDGsについての理解を深める「SDGs市民カレッジ」など 幅広い活動を行なった。この3つのイベントにはCSOラーニングの方が参加していたので縁に 感謝したい。 また、数学と科学の参加体験型プログラムであるGEMSのワークショップをサポートしたり
実際に体験したりした。環境課題は様々なことが複雑に絡み合っているので、環境教育において 重要なのは、分野に縛られずに思考力や想像力を育てることだと感じた。 (感想・質問) ・環境教育を行う人たちに向けた教育の重要性が分かった。教育に携わる人も学ぶことを
やめてはいけない。 ⑤パブリックリソース財団 食品ロスとなる食材を、食の支援を必要とする人々に届けるフードバンク事業に関わった。
地域に適した様々な対象や形態をもつフードバンクがあることが分かった。しかし「誰もが
安心・安全な食べ物を手に入れられる社会をつくりたい」という思いはどこも同じ。 社会的に意義のある活動を分かりやすく発信すること、全体像を掴むこと、現場に赴くことの 大切さを感じた。今後に生かしたい。 (感想・質問) ・関心のある分野。フードバンクの取り組みは都心では盛んだが地方に出ると少ないように
感じるので、もっと広がってほしい。 ・フードバンクでは、衛生面上の理由などからいくつかの規制や障壁などがあると思われる。
フードバンクの問題点や拡大を阻害する要因は何があるのか。 都内の高校で、1,2年生の生徒ら150名の前で「進路選択と人生選択について」と題し
オーストラリアの大学に進学した自分の経験をもとに講演した。内容は英語の勉強、自分らしく 生きる方法、自分が学ぶgeo-ethicsという倫理分野の普及啓発等。約50名の生徒から質問や 相談を紙でもらい、フィードバックを行った。例えば、やりたいことが見つからない生徒に 対して自己分析とはどういうことかを伝えた。「見えない傷や痛みを緩和したり問題を解決したり することで地球全体の幸福度を上げる」という自分のモットーに沿うものが出来たと思う。 (感想・質問) ・生徒との交流を通して、自分の人生のモットーに沿う活動ができたということはとても
素晴らしいことだと思う。文化の違う環境で暮らしていく中で、大切にしていることは何か。 今回もここでは書ききれない程、多くの体験が共有されました。 発表後、財団の佐藤さんが「いろんな人との交流でき、社会とつながる経験ができたと思う。
その経験を大切にしてほしい。また、ぜひ失敗から学んでほしい」とおっしゃいました。 加えて司会の瀬川さんが「環境分野に限らず普遍的な学びを得ている」と述べられました。 私は、学んだ実感の大小は人それぞれだと思いますが、いつか、どこかの場面でこの経験が 役立つことがあると考えます。多くの人と多様な価値観を共有できたことに誇りをもって ほしいです。 【第2部】関心テーマについてのディスカッション最終発表(50分間) 12月から1月の3ヶ月間で、関心分野ごとにその課題の解決方法について議論をします。
「その問題を解決するために私たちが取り組むこと」をラーニング生全体に発信することが ゴールです。今回は各班より最終発表が行われました。各々の要旨をまとめます。 ①気候変動 [映画を鑑賞して] 『不都合な真実』という気候変動対策の重要さを訴える映画をグループで鑑賞し、感想を共有。
映画の内容を踏まえて、私たちに出来そうな次の4つの行動を提案する。身近に出来ることから 始めてみよう。 1.省エネ型の電化製品・電球に交換する。 2.小まめに蛇口を閉め、送水エネルギーを節約する。
3.エアコンの設定温度を見直す。
4.植林活動をする。生育中の木がより多くのCO2を吸収する。
里山・里海は、人々の営みのある場所であり、これらの景観に適応した様々な生物が生息する。
人が自らの文化を育んでいる場所でもあり、生物多様性を維持・向上させる上で重要な役割を 担う地域。個々のアクションは次の通り。 ・座学ではなく実際にフィールドに出て公園整備等の活動に参加する。 ・海岸清掃に参加し漂着するゴミの実態を知る、そこに住む生き物を見て愛着心を育む。
・地元で採れた野菜を消費し、その土地の耕作地の持続に貢献する。
・自然と共生した暮らしを推進することで、生物多様性と調和した社会を実現する。
家庭でどのくらいCO2を排出しているかを知るために、環境家計簿をつけてみよう。
日常生活で使用する電気、ガス、灯油、ガソリンなどのエネルギー使用量に、排出係数を掛ける だけでCO2排出量が出る。東京都小平市が環境家計簿のアプリを出しているのでぜひやってみよう。 グループをつくることも出来る。仲間で競いながら取り組むのも面白いのではないか。 ④ゴミ問題 [ペットボトルの分別とマイボトルの普及] PETボトルからPETボトルへのリサイクルを進め、かつ使用量を減らす必要がある。
私たちにできることは、ラベル・ボトル・キャップを分別すること、マイボトルを持つこと、 補充場所を宣伝すること。自分で行動し現状を周囲に伝えることで、周囲も同じ行動をし、 それが世の中の規範になる。マイボトル持参を習慣化し、給水スポットで補給することを 周囲に広める。 ⑤食糧問題 [サステナブルな飲食店の利用] 合宿や交流会というイベントがあるとして、そこで具体的に実践できることはサステナブルな
飲食店の利用である。様々な観点から具体的なお店を紹介する。事例として、ジビエ(※)を 扱う、地場野菜を扱う、代替肉として大豆ミートを使用する、食品ロス削減に取り組むお店がある。 このようなサステナブルな飲食店を利用することを通して、食を楽しみながら環境のために 行動できる。 ※ジビエ…家畜ではなく、狩猟によって獲た野生の鳥獣 ⑥エシカル消費 [ラーニング制度で培った力を活かす] 日本では、エシカル消費は認知されつつあるが実践に結びついていない。理由として消費者の
手に取られにくいこと、継続使用される魅力が薄いことが挙げられる。 私たちは、ラーニング制度の中で、発信力、想像力、行動力が身についた。それらを生かし 3つ提案する。第一に、正しい知識の発信。企業や自治体の行うエシカル消費の推進活動を 発信する。第二に、若い目線を生かし、幅広い世代が使い続けたいと思う商品の提案。 第三に、気軽に楽しくできることを発信。このように、この制度での成長を糧にしたい。 最終発表は、調査に基づいた提案や具体的な提案、そして今から出来そうな提案が多くあり どの班もおもしろかったです。最後に財団の西脇さんが次のように述べられました。 「後半のミニプロジェクトは予想以上の立派な発表だった。皆さんで決めた決意は実践して欲しい。
アウトプットは出来ていたが、そのプロセスはどうだったか気になる。6月から継続して 『この8ヶ月で一歩踏み出せるように努力してください』と言ってきた。スタート地点も 到達点も人それぞれ違う。一人ひとりがどれだけやれたかが重要。自問自答してほしい」 1月でラーニング制度は終わります。皆さんお疲れ様でした。活動開始直後は、今年度こそは 対面で定例会を行いたいと思っていましたが、結局すべてオンラインとなりました。
しかし、一部では実際に集まって交流ができました。コロナ禍で制約が多い中、この制度の 機会を十分に生かしたいと、ラーニング生らの意志により実現しました。 対面で会った人はもちろん、そうでない人も、活動を通していろんな人と出会うことで、 綺麗に言葉に出来なくても肌で感じたことが多くあったと思います。 どんなことでも感じたこと全てが財産だと思うので、この感覚を忘れない内に自分の行動に 移して欲しいです。 私も皆さんの姿からたくさんのことを学びました。ありがとうございました! 関東地区チューター 古田 崚馬 |
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