先の台風は、皆様お怪我等ありませんでしたでしょうか? 宮城県は各地で河川の決壊による浸水や土砂崩れが発生し、 混乱した状況が続いています。 大学生としても、大学のボランティアセンター等の機関を経由して、 先週から復旧支援のために現地に入っています。
さて、9月27日にCSOラーニング制度宮城地区 9月定例会を行いましたので報告いたします。
定例会は、公益財団法人オイスカ名取事務所で開催しました。 こちらでは、東日本大震災で流されてしまった海岸林を再生しようという プロジェクトを震災直後から、10年の長期計画を立てて進めておられます。 事務所は仙台空港からほど近く、 周囲はオイスカ名取事務所さんが関わっている黒松の海岸林のど真ん中。 秋の虫がにぎやかに鳴いているとても素敵な事務所でした。
最初にオイスカ職員の林久美子さんからお話を伺いました。 林さんは「押し付けではない支援をやっていきたい。 そうじゃないと長続きはしないし、現地の人たちにやる気をだしてもらいたい。 震災後、名取出身の方が訪ねてきて、何か支援をしてもらえないかとお願いされ、 名取で農業を営んでいた人々に協力を仰いで、「名取市海岸林再生の会」が立ち上がり、 オイスカは資金の援助や技術の支援などを行い、地元の人たちを支援する形で行っている。 海岸林再生のプロジェクトは、10か年計画だが、 10年で終わりなのではなく、上田松がきちんと育つまで支援していく。」 と話されていました。
単に地域外からやってきて、松を植えればいいというわけでない、 地元の人との関わり方や長期スパンでの見通しの建て方を、 実体験からインターン生たちは学ばせていただきました。 インターン生の活動報告では、夏休み期間ということもあり、 各々が個性豊かな経験を積んでいました。 NPO経営者へのゼミや、海洋プラスチックについての講演会をおこなったインターン生から、 子どもたちとのワークショップ、栗駒までのキャンプとバリエーションに富んでいます。
各々が各インターン先で他では真似できない貴重な経験をさせていただいています。 今後後半のインターン活動で、こうした経験を生かしていけるようにします。 インターン生が自主的に行うプロジェクトは、まだまだモヤモヤした時間が続いています。 先月の段階で一度『気候変動の影響を受けている植物で、 ハーバリウムをつくることで啓発を行う』と決めて調査に乗り出しました。 しかしネットで調べてみても、 気候変動の影響を直接受けている植物がそもそも見つからず、方針の転換を迫られました。 しかし簡単に方針を変えるのは難しく、色んな意見が出てまとまらない。 考え直すのならば、宮城らしさも入れたいし、何を伝えたいかもあいまいにしたくない…
結論としては、 【海面上昇の海外の現状と、宮城の現状を伝えるワークショップをする】ことに決まりました。 ただ、これからも一筋縄ではいかないと思われます。
もちろんうまく行く事に越したことはないですが、こうした経験も必要かもしれません。 各インターン先の活動は、目的や組織も洗練されていて、 真面目に言われたことをこなしていればある程度形にしてくれます。 でもそれは、各インターン先が長年積み上げて来られた土台の上に乗せてもらっています。 自分たちで0から始めるのが、どれほど労力がかかるか? 無限にも思えるトライアンドエラーを、インターン生達は今、身をもって感じています。 若者達のチャレンジを応援くださると幸いです。
宮城地区チューター 畠山紳悟