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2021
10,28
13:18
【CSOラーニング制度】2021年度10月関東地区定例会を開催しました!
CATEGORY[CSOラーニング制度]
こんにちは!
関東地区チューターの古田です。

2021年10月15日(金)に、関東地区第4回定例会がオンラインで開催されました。
今回も2部構成であり、どちらも約4人ずつで少人数での話し合いです。

【第1部】インドネシア交流会・事前勉強会に関する意見交換(40分間)

先月に開催されたインドネシア交流会の、事前勉強会について自由に意見交換をしました。
この交流会に参加していない方もいるので、ラーニング生には前もって勉強会の録画映像を
見てもらいました。
グループに分かれる前に、話し合うテーマの例として「インドネシアの環境問題に日本が
貢献できることは?」、「インドネシアの取り組みから学ぶことは?」、「インドネシアとの
交流アイデア」が挙げられましたが、それらに限らず様々な観点から意見が出ました。
出された意見や提案をいくつかご紹介します。
 

[森林問題]
・パーム油は、アブラヤシのプランテーションを切り拓いて作られるが、森林減少だけでなく
 生物多様性の減少など複合的な悪影響をもたらす。

[ごみ問題]
・インドネシアは日本と異なり、焼却炉がない等、都市基盤が整っていないことが問題だと知った。
・インドネシアでは漁ったごみを売って生活している人(スカベンジャー)がいる。
 ごみが散乱している状況は問題だが、もしゴミが片付いたとしたら、スカベンジャーらの生活は
 どうなるのか。彼らの人権も尊重しなければならない。

[エネルギー]
・日本はインドネシアの火力発電施設の整備に支援しようとしている。脱炭素の潮流の中、
 先進国が歩んできた道を途上国も歩むことになっていいのか。技術革新や発展後にお金を
 返す仕組みが必要だ。

[環境意識]
・日本もインドネシアも若年層よりも上の世代の意識をどう変えるかが重要。
・環境意識の形成段階が日本とインドネシアで違う。インドネシアは意識が形成されつつある。
 日本は多くの人が知っている。しかし日本でも実際に行動に移せている人は少ないように思う。
・節電をするなど小さな行動を起こすことだけではなく、発電方法等のシステムを変えることが必要。
 個人の意識レベルでもシステム全体で考えるべきだ。

[その他]
・プレゼンで画像を使用していてインパクトがあった。発信する立場として参考にしたい。
・一個人として何ができるか。私たちは、まず「CSOラーニング制度で活動していること」を
 周りの人に言って知ってもらうことが出来る。皆さん言っていますか??
・インドネシアでは観光産業の環境への影響が深刻。さらに環境悪化も観光に影響。
 経済と環境の両立の難しさを痛感。



このように様々な切り口から意見が出て興味深かったです。
他国の現状を知ることができただけではなく、その現状から学ぶことや、比較することで
分かることがあったと思います。


【第2部】CSOラーニング前半を終えての振り返り(40分間)

ラーニング制度は9月で半分のプログラムが終了したので、中間での振り返りを行いました。
話し合う内容は、これまでに達成できたこと・取り組みが不十分だったこと・これからの課題・
悩みです。



話し合いで出た主な意見は次の通りです。

[達成できたこと]
・学んで発信することで自分の団体の取り組む事柄について知識を深められた。
・定例会や合宿で同期の人や先輩と話すことができた。
・自分が何をすれば良いか考える力がついた。

[取り組みが不十分だったこと]
・派遣先から与えられることだけをやっていて受け身だった。
・学業との兼ね合いで十分に時間が取れていなかった。

[これからの課題や悩み]
・作業のスキルを高める。
・コロナでイベントが中止になった影響で仕事量が少なく活動時間が足りない。
・別の仕事もやってみたい。
・定例会で話す機会はあるものの、普段周りの人が何をやっているか分かりづらい。
 SNSの活用などで、他人の活動の見える仕組みを作るのはどうか。
 
この話し合いで、一旦これまでの取り組みを振り返ると同時に、悩みを共有できたのでは
ないでしょうか。
この中で私が特に気になったのは「周りの人の活動が見えるようになればよいのに」という意見です。
例えば調査などの事務的な作業は、一人で黙々と行えばそれまでですが、それをSNSで発信して
ラーニング生が共有すると全体としての学びにつながります。
この意見について、いまチューター4人で話し合っています。
 
今回の定例会を通して、意見交換の面白さを改めて実感しました。
私はインドネシアの事情について知っているつもりになっていましたが、自分の気づかない
観点から鋭い意見が多く出ました。
例えば、ゴミを漁って暮らす人の人権を考慮すべきだという視点は重要だと思いました。
他にも、SNSの活用について新しい意見も出ました。同じように意見交換の大切さを感じられた
方も居ると思います。
普段の派遣先の仕事でも、行き詰まったらぜひ積極的に同期のメンバーらに相談してみましょう。

関東地区チューター
古田 崚馬

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2021
10,12
11:52
2021年度日本・インドネシアラーニング生交流会を実施しました!
CATEGORY[CSOラーニング制度]

こんにちは。2021年度CSOラーニング生(派遣先:日本環境教育フォーラム(JEEF)の
小林海瑠です。

SOMPO環境財団では、日本のCSOラーニングだけでなく、インドネシアにおいても現地の
学生対象にNGOラーニング・インターンシップ・プログラムを実施しています。

9月21日(火)には、日本とインドネシアのラーニング生とでオンライン交流会を
開催しました。両国から15名程度の学生が参加し、とても有意義な交流会となりました。



 

はじめに、日本とインドネシアの学生からそれぞれ自己紹介しました。
交流会中は基本的にJEEFインドネシア事務所長の矢田さん、JEEFインターンの春木さんが
日本語⇔インドネシア語で通訳してくださいましたが、自己紹介の時間は全員英語で話しました。
細かい内容を伝えるにはどうしても通訳が必要になりますが、お互いで楽しめるコミュニケーション
のためには、やはり共通の言語で話すことが大事になります。
私も、外国語習得の重要性をまた痛感しました。 

 

 




その次に、日本側、インドネシア側の学生1名ずつからそれぞれのインターンの活動内容に
ついてのプレゼンがありました。


 

インドネシアからは、ArrizkyさんからBorneo Orangutan Survival Foundationでのインターン
活動についての発表がありました。
BOS Foundationは、インドネシアでオランウータンの保護・保全を中心に活動している組織です。
その中でArrizkyさんはコミュニケーション部門に所属し、オランウータンのことや団体の
活動について一般の人々に伝える活動をしています。
具体的には、SNSによる発信やZoomによるウェビナーの開催、グッズの販売サイトのデザイン
などに取り組まれていたとのことでした。
このような活動を通じて、プレゼンのスキルなどを磨くことができたようで、当日のプレゼンや
スライドもとても洗練されたものでした。

 

続いて、みやぎ・環境とくらし・ネットワーク(MELON)ラーニング生の天内さんから
発表がありました。



環境についての情報発信を行なっているMELONが、天内さんの興味分野である
SDGsやデザインなどにリンクすると考え、MELONでのインターンを始めたとのことでした。

MELONは1992年の地球サミットを契機に発足した団体で、さまざまなステークホルダーから
構成される環境NGOです。MELONは複数の部会に分かれて活動しており、天内さんはその中の
「ストップ温暖化センターみやぎ」で活動しています。
例えば、「うちエコ診断」という取り組みでは、家庭でのエネルギー使用についての分析を
行い、省エネに向けたプランについてのレポートを作成するといった活動があります。

 


天内さんは、MELONでブログ執筆、イベント運営、教育プログラムへの参加などの活動をされており、
持続可能な方法で重要なメッセージを伝えることを目標にしているとのことでした。

プレゼンの後には意見交換会のパートに入りました。特にテーマは設けず、各自が自由に
質問をして答えるパートでした。
なかなか質問が出ないのではと少し心配していましたがそんなことは全くなく、さまざまな
質問が飛び交い、時間内で答えきれないほど賑やかな交流会となりました。

 


質問の内容は各自のインターンの活動内容のほかに、環境分野に興味を持った理由、大学に
おける気候変動への取り組み、各国に必要な政策など様々な意見が出ました。

一部を紹介すると、

Q:日本では気候変動に対する関心が高く、自分も啓発に取り組んでいるが、インドネシアでは
どうか?(日本→インドネシア)

A:気候変動対応のボランティア活動を行うものも多いが、一般に気候変動問題への関心は
あまり高くない。今後水害の増加などどのような影響が出るか更なる啓発が必要。

Q:プラスティックゴミの削減とマイボトルの普及のため、大学に掛け合って給水ステーション
を設置してもらった。日本の大学ではどうか?(インドネシア→日本)

A:そこまでの活動はできていない。今後頑張りたい。

Q:ジャカルタからカリマンタン島へ首都移転が計画され、カリマンタン島の野生動物に
深刻な影響が懸念されると聞くが、どう思うか?(日本→インドネシア)

A:首都移転といってもジャカルタをそのまま移転するわけではなく、政府の機能を移転するのみ。
ジャカルタの深刻な交通渋滞や大気・水質汚染を考えるとよい政策だと思う。

また、インドネシアの学生から、「子どもへのエンパワーメントというとインドネシアでは
ストリートチルドレンの保護活動が思い浮かぶが日本でも同じか?」など、日本に住む我々とは
全く異なったバックグランドの質問が出ました。
単なる交流ではなく、そのような両国の課題のギャップやバックグラウンドなどについても
学ぶことができた交流会でした。

こうしてできた縁を、ぜひ今後も活用していきたいとと思います。

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2021
10,05
16:47
市民のための環境公開講座 9月29日(水)第3回
CATEGORY[市民のための環境公開講座]

こんにちは。SOMPO環境財団の瀬川です。

今回は9月29日(水)に開催された、「市民のための環境公開講座」第3回のレポートを
お届けします。



第3回は東京経済大学全学共通教育センター准教授の大久保奈弥さんを講師に迎え、
「サンゴとサンゴ礁生態系の現状」をテーマに講演いただきました。



大久保さんは大学院生時代から長年サンゴの研究を行い、2017年には2つの新しい亜目
(目と科の間に置かれる区分)を提唱されたことで、サンゴの分類学に大きな貢献をされた方です。
講演の合間には自宅で育てているサンゴとのツーショットも見せていただき、全編を通じて
サンゴへの愛があふれる講座でした。



講座は、「サンゴとサンゴ礁の違いは?(⇒サンゴ礁はサンゴの死がいが積み重なってできた
地形のこと)」、「サンゴはどんな動物?(⇒イソギンチャクと同じ刺胞動物)」という
問いかけから始まりました。
今回はアンケート機能を活用することで双方向のやり取りが生まれ、受講者の皆さんも講座に
入り込みやすかったのではないでしょうか。



続いて普段はあまり見る機会のない、サンゴの発生の様子、着底から群体として成長する過程、
褐虫藻との共生など、神秘的な画像を交えながらサンゴの生態をご紹介いただきました。

この説明の後、大久保さんの問いは私たち人間とサンゴの関わり方に展開していきます。
「なぜサンゴ(サンゴ礁)を守る必要があるのでしょうか?」



サンゴは、私たちに様々な恩恵をもたらしてくれます。生態系を保全することはもちろん、
高波を防ぐ調整効果や観光資源としての文化的な貢献も非常に大きいものです。
(八重山諸島にサンゴがもたらす経済効果は230億円!という試算も。)
海洋国である日本は世界でも特にこの恩恵を大きく受けている国ですが、そのサンゴは
2050年までにはなくなってしまう、という予想もされており、非常に危機的な状況に
あります。では、どうすればサンゴを守ることができるのでしょうか。



ここから講演は核心に迫っていきます。日本では「サンゴを復活させるため」に、これまで
多くの時間と資金を「移植」という試みに費やしてきました。自治体や国の事業として行われる
大規模なものから、ふるさと納税やクラウドファンディングを活用したもの、手法も有性・無性
の移植法や再生医療を活用したものなど、多種多様です。
しかし、残念ながらこれらの取り組みはいずれも大きな成果を収めるには至っていません。
「移植したサンゴの9割が死亡」、「19年間、20億円をかけてほぼ成果なし」といった、
ショッキングなデータも紹介されました。



そして、この非常に困難な再生活動をしている横で、埋め立てや空港建設工事により移植した
面積の100倍以上のサンゴが失われています。この再生と破壊のペースを比較すれば、
「移植ではサンゴを復活させることはできない」という結論を逃れることができません。
行政や企業は「サンゴを移植して復活させる!」というプラスの面だけを過剰に喧伝し、
むしろ「再生できるから破壊しても大丈夫」という楽観的な言説を助長しているという指摘は、
私たちにとって非常に重いものでした。



では、私たちがサンゴを守るために何ができるのか?という問いに対して、大久保さんの答えは
明快です。それは「今あるサンゴを守ること」。
サンゴが住める環境をしっかりと守ることができれば、サンゴはちゃんと増えていきます。
講座の最後には、この環境を守るための基準を条例などでしっかりと定め、生物多様性に応じた
開発の優先度をつけることで、サンゴを守ることができる、という力強いメッセージを
いただきました。

耳障りのよい情報に流されず、不都合な事実から目を背けない大久保さんのスタンスは、
サンゴの問題に限らず、環境問題に取り組もうとする皆さんの模範になる姿勢と感じました。
参加した皆さんにとっても、多くの刺激を受ける講座となったのではないでしょうか。

今回の講座で、「市民のための環境公開講座」PART1:気候変動とエネルギーの転換は
終了となります。

次回からのテーマは、PART2:企業が取り組むサステナビリティです。

第1弾は10月13日(水)18時から、
「すべての人のKirei Lifestyleへの貢献をめざして」をテーマに、花王株式会社ESG活動推進部
マネジャーの井上紀子さんに講演いただきます。ぜひご視聴ください!

<市民のための環境公開講座・お申込み>

https://www.sompo-ef.org/kouza/kouza2021/


SOMPO環境財団・瀬川

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2021
09,22
17:44
市民のための環境公開講座 9月9日(水)第2回
CATEGORY[市民のための環境公開講座]
こんにちは。SOMPO環境財団の瀬川です。

今回は9月9日(木)に開催された、「市民のための環境公開講座」第2回のレポートをお届けします。


第2回はサステイナブルエネルギー開発株式会社代表取締役社長の光山昌弘さんを講師に迎え、
「「脱炭素社会」の構築に大いに資する「ISOPシステム」について」をテーマに講演いただきました。



講演は3部構成で、第1部は光山さんのプロフィールや起業に至った経緯、ISOPシステムの
概要や解決する社会課題などについてお話いただきました。



最初にお話しのあったISOPシステムの概要は、非常に衝撃的なものでした。
端的に説明すると、「燃えるものなら何でも分解してバイオ石炭にできてしまう」という装置なのです。
燃えるゴミはもちろん、輸出禁止で大きな問題になっているプラスチックごみ、医療廃棄物、
廃棄食品、畜産糞尿や害獣の死がいまで、すべて「資源」として活用し、バイオ石炭に
変えることができてしまいます。



このバイオ石炭は、石炭と同等のエネルギー密度・撥水性を持っており、石炭の完全代替物
として機能します。
つまり、現在の石炭火力発電所の施設をそのまま利用して発電することができるため、
実質的に石炭火力発電所をバイオマス発電所に転換することができてしまうという仕組みです。

このシステムを活用すれば、温室効果ガスによる地球温暖化問題をはじめ、フードロス問題、
Covid-19により深刻化している医療廃棄物問題、廃棄プラスチック問題、災害時のライフライン確保など、
様々な社会課題が解決できるというビジョンが示されました。

光山さんが起業に至った経緯は、東日本大震災でした。光山さんは2009年にNEDOの事業として
行われていた「下水汚泥を固形燃料として活用する」という事業をきっかけに、震災後の南三陸町で
避難所に浴場を設置する活動に取り組まれていました。
その際、「被災地で発生する大量の廃棄物をエネルギーに転換することができれば、多くの人を
救うことができる」という着想を得て、現在の事業を起こされたとのことです。



第2部では、ISOPシステムの技術的な仕組みについて、説明いただきました。
専門的な内容が多く含まれたため詳細は割愛しますが、難解な内容にも関わらずポイントが
分かり易い、非常に明快な解説をいただけました。
コア技術として「亜臨海水処理」という技術が使用されていること、ISOPシステムのエネルギー
効率の高さや温室効果ガス削減効果など、実証データを交えてお話いただきました。




第3部はISOPシステムがターゲットとする市場規模や製品ラインナップ、今後の開発テーマ
などをお話いただきました。こうした内容が聞けるのも、事業会社を経営されている方の
お話ならではですね。

講演では各部ごとに質疑応答の時間が設けられていましたが、具体的なコストや必要資格などの
導入ハードル、メンテナンスや耐用年数など、非常に実務的な質問が多く、導入を真剣に
検討される方が多くいらっしゃったことが感じられました。
また、被災地で光山さんの設置した浴場を利用されたという方からのコメントもあり、その瞬間
光山さんの表情がふっと和らいだ様子も印象的でした。

なお、無敵のシステムに思えるISOPシステムですが、今後のハードルとしては、資源となる
「不要物」の量の確保、自治体などで採用してもらうための実績の積み上げ、操作の簡易化
(現在はボイラー技士免許と匠の技が必要)や車にも積めるような小型化などが課題として
挙げられていました。

今回の講演、私は途中まで「未来の夢の技術」の話を聞いているのかと思いました。
取り上げられているISOPシステムが、私たちの抱えている社会課題の大半を解決する技術に
思えたからです。そのため、既に実現しているシステムということを聞いて大変驚きました。

大げさかもしれませんが、こういった技術的なイノベーションが積み重なれば2030年、2050年の
脱炭素目標も達成できるのではと、希望を抱かせてくれる講演でした。

次回は9月29日(水)18時から、「サンゴとサンゴ礁生態系の現状」をテーマに、
東京経済大学全学共通教育センター准教授の大久保奈弥さんに講演いただきます。

ぜひご視聴ください!
<市民のための環境公開講座・お申込み>
https://www.sompo-ef.org/kouza/kouza2021/

SOMPO環境財団・瀬川

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2021
09,21
14:11
【CSOラーニング制度】2021年度9月・関西・愛知・宮城地区合同定例会を開催しました!
CATEGORY[CSOラーニング制度]
初めまして!
宮城地区チューターの平澤拓海です。

だんだんと恒例になりつつある定例会ですが、今月も9月16日(木)に関西、愛知、宮城の
3地区合同の第3回が開催されました。
9月の上旬には、全国合宿も開催され、だんだんとラーニング生の顔つきが柔らかくなってきた
印象があります。
今回の内容は以下のとおりでした。
①CSO講演 アサザ基金・飯島様
②ラーニング生交流パート
① CSO講演 アサザ基金・飯島様
ラーニング生活動用のフィールドである「かっぱん田」を管理していただいているアサザ基金
の飯島様から谷津田を通じた活動の意義やラーニング生との連携に
ついて講演いただきました。
簡単に内容をまとめます。
現在、長引くコロナ渦で疲弊している方も多いでしょう。コロナウイルスは現在の社会のあり方、
すなわち選択と集中、合理化、密集型の社会に大きな問いを投げかけています。



その中で環境や里山などこれまで置いてきぼりにしてきた価値が少しずつではありますが再認識
されつつあります。その取り組みの一つがアサザプロジェクトであり、かっぱん田です。
かっぱん田は、茨城県、牛久沼の水源地である『遠山の谷津田』と呼ばれる谷の先端にあります。
周囲の森林からのわき水が湧き出し、サワガニやホタルなど貴重な生物も住む自然豊かな場所
ですが、高齢化などに伴い耕作放棄地が増えていました。



その中で、我々の先輩であるアサザ基金のインターン生を中心として、地元の中学生、市民など
多くの人を巻き込みながら里山の再生に臨みました。
どうやったら、荒地を里山として自然に働きかけることができるかを中学生とともに考え、作業
する中で、取れたお米でせんべいを作るなど地元の経済に働きかけるような動きも出ていたそうです。



結果10年ほど経った今、里山はかなり再生されてきているようで、鷹やカエルなど多くの
生き物が戻りつつあるようです。
非常に興味深いお話で私自身もいくつか考えることがあったので、感想を以下に述べられれば
と思います。

・価値のリデザイン
今世の中全体がこれまでの価値を見直している段階にきているのは間違いないと思います。
それは世界全体の脱炭素社会の推進や、SDGsの認知度からしても明らかにこれまでの
経済だけを合理化した社会の見直しが迫られています。
その中で里山は、人々特に日本人が見直していく大切な価値観が備わっているように思います。
我々は自然から多くのものを享受しています。水や食物、酸素や土壌の循環、一つ一つが
欠かせず私たちの生活を支えています。
しかし、都会中心型の社会だとそういった自然の恩恵を受けていることをついつい忘れがちに
なってしまいます。
そんな中で里山に入って、実際に自分の手で自然に働きかえること、生命の恩恵を受けながら、
手入れをすることで恩返しをすること。これは日本人が古くから大切にしてきた共生の
価値観に他ならないと思います。
また、管理ではなくて働きかけをするという言葉も印象的でした。
ルールを設けて、二酸化炭素を排出しない、プラスチックを使わないということもやはり
必要ですが、その中にあまり持続可能な社会としてのビジョンが見出せません。
私自身、環境問題の解決という言葉を多用してきましたが若干の違和感がありました。
多分それは人々の自然を大切にしていく、働きかけていくという意識の先に持続可能な社会を
作る必要があるということなのでしょう。この意識がひいては国際社会の中で日本が働きかける
ことのできる価値にもつながってくると思います。

・ネットワークの拡大
かっぱん田の取り組みは非常に先進的であり、参考になる部分は多いですがこれ一つでは
なかなか社会全体として持続可能な形には近づいていきません。
そこで、ネットワークの拡大ということが必要になり、飯島様もそのような課題について言及
されていました。
やはりそういった時に思いつくのがラーニング生の存在です。
全国各地で活動するラーニング生がかっぱん田のような取り組みを知り、自分たちの場所で
そのような活動を広げていくことで里山の保全が社会全体に広がっていくのかもしれません。
ただ、学生だけでもどのように行動したらいいのか、何から始めればいいのかがわかりづらい
と思うので、そのような時のためにNPOやSOMPO環境財団、チューターもしくは行政のような
組織が後押しできるような形があれば好ましいと感じました。

耕作放棄地や若者の農業離れが叫ばれて久しいですが、少しずつではありますが農業や
里山の価値も見直されつつあるように思います。経済や環境との両立など課題も多いですが、
変化の波に私自身も乗れればと思います。

②ラーニング生交流パート
今回はテーマは特に定めず、1グループ五人程度で最近の悩みや今回の講演の感想など
自由に交流しました。
今年もコロナウイルスの影響で顔を合わせて話すということができないため、こうした交流の
機会は貴重なものだったと思います。



私のグループでは、里山の働きかけについて自由な形で議論し、どうすれば社会全体に広げて
いくことができるか、私たちが近場で参画するにはどうすればいいか、どういうものが里山と
呼べるのかなど、なかなか興味深いテーマで話すことができました。



他のグループでは、自分たちのCSOについての紹介だったり、地元トークなどで交流が進んだ
ということで中身のある交流になったのではないでしょうか?

季節の変わり目でもあり、CSOも後半戦に入ってきていますが、それぞれのフィールドで
積極的に活動を進めていただきたいですし、私もそれをサポートできればと思います。

宮城地区チューター
平澤拓海

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