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2020
12,07
09:57
市民のための環境公開講座パート3-2
CATEGORY[市民のための環境公開講座]
こんにちは、SOMPO環境財団の長沼です!
with コロナを踏まえて “無料のオンライン講座”として開講している
『市民のための環境公開講座』。
Part3 “サステナブルなライフスタイル”の第二回目は、
『自然をつなげる持続可能で豊かな暮らしと住まい』と題して、
株式会社サスティナライフ森の家 代表取締役の大場江美氏にご登壇いただきました。
大場さんは現在宮城県で地元産の木材にこだわった家づくりに取り組んでいますが、
それには大場さんご自身が、元々アトピーなどアレルギー体質であったため、
流通過程がトレースでき、化学薬品による燻蒸など処理をしていない国産素材を使った
家に住みたいと思ったことが関係しているそうです。そして、住宅事業を始める前に、
「自分は将来どんな暮らしをしたいのか?」と自問した際に考えた結論は
「『地球と共生する』循環する暮らしつくる」というコンセプトでした。
大場さんによると、日本は国土の66%が森林で、世界第二位の森林率を誇る国ですが、
一方で木材自給率も供給量も年々低下しています。安い外国材の輸入が多く、
日本の山には森林も木材もあるけれど、そもそも市場に出回っておらず、また、
近年は木材がバイオマス燃料に使われる量も多く、家づくりのために使える木材は決して
多くないのだそうです。加えて、最近では太陽光発電設置のために、どんどん木が
切られていっている状況もあるとのことです。
そして、日本では、森林も「少子高齢化」の問題に直面しています。
年老いた木々は多くあるものの、若い森林が育たず。それが原因で二酸化炭素の吸収量も
減ってきているとのこと。年老いた木々の割合が多いと、国や大場さんが標榜される
「循環の森づくり」は難しいのだそうです。
サスティナライフ森の家は、最新の林業機械を使わずにチェーンソーで人が伐採し、
化学薬品を使わず「煙でいぶす」など昔ながらの製法で木材を作り、一本一本の
木の良さを引き出す製材活動を行っています。その方法は、手間はかかるものの、
地元に雇用を生むことにも繋がり、様々な社会課題の解決にも貢献しているそうです。
また建て主に大黒柱用の木を自分で切ってもらうなど、思いのある家づくりを進めています。
『循環する暮らし』とは、森を中心として木材の生産・利用で地域と繋がり、
思いのある経済活動を通じて様々な社会的課題を解決させ、未来を創ること。
その実現のためには、100年以上先を見据えた計画が必要であるものの、
一方で若い次世代の教育にもつながっていくのだそうです。
大場さんが仰っているように、“木から学ぶこと”は多いのですね。
次回Part3 “サステナブルなライフスタイル” の最終回は、12月7日(月)18:30~19:45。
『パーマカルチャー 共生型未来へのパラダイムシフト』と題して、
共生革命家のソーヤー海氏にご登壇いただきます。
お申し込みはこちら→
市民のための環境公開講座お申し込み
2020
12,01
11:50
市民のための環境公開講座パート3-1
CATEGORY[市民のための環境公開講座]
こんにちは、SOMPO環境財団の長沼です!
with コロナを踏まえて “無料のオンライン講座”として開講している
『市民のための環境公開講座』。
Part3“サステナブルなライフスタイル”の初回は、
『お花屋さんからみた「サステナブルなライフスタイル」』と題して、
株式会社LORANS.代表取締役の福寿満希氏にご講演をいただきました。
福寿さんは、花や緑を通じて「人の環境」と「自然の環境」をテーマに社会課題へ
積極的に取り組むことを目指して、社会的役割を基盤としたお花屋さんを経営されています。LORANS.は、「マイノリティ当事者の雇用格差の解消」と「子供たちの未来の働く場の創造」をコンセプトとしており、現在60名いるスタッフのうち、45名の方々が何らかの障がいや難病と向き合いながら働いています。
また、こちらでは“フラワーギフト環境循環”という活動にも取り組んでいます。
「フラワーロス」と呼ばれる生花店の売れ残り廃棄は一般的に生産量の20~30%に及び、
その年間総量は、フードロス610万トンの約3倍にもなるそうです!
LORANS.では、廃棄される花を“資源花”として再生紙の原料として活用し、
スケッチブックなどとして販売しています。また、withコロナでの取り組みとして、
廃棄花をドライフラワーとして新しいギフトへ加工したり、イベントがキャンセルとなり
不要になったフラワーギフトを、別の形でニーズのある方々へ販売したりもしています。
しかも、不要となったラッピングペーパーでマスクも制作されたとのこと。
発想の転換から大きなニーズを生み出しています。
福寿さんが“マイノリティ当事者の雇用問題”に取り組み始めたのも、自宅で始めた
フラワーギフトサービスの仕事について、「他と差別化できることはないか?」と
考えたことがきっかけです。そんな折に、障がい者施設でのフラワーレッスンの仕事を
引き受けたことが契機となり、軽度の障がい者でもなかなか就職が難しい現実を知った
とのこと。そこから、自分だけにできることは「花や植物」×「マイノリティ雇用」の
仕事なのではないか?と考え、現在のLORANS.の形に繋がっているそうです。
福寿さんは、「異なるもの同士を組み合わせることが、新しい価値の創造へつながる」
と仰っていますが、フラワーギフト環境循環も、マイノリティ当事者雇用への取り組みも、
まさにそれを具現化していますね。
福寿さんは前職の上司が言った「世の中で一番の社会貢献は雇用を生むこと」を信条に
されています。その言葉に背中を押された福寿さんは、
「働く幸せ、とは仕事を通じた“愛される喜び”」と熱く語りました。
そして、福寿さんの目標は「誰もが自分色に花咲く社会を作る」です。
福寿さんとLORANS.の植えた花が、社会全体に咲き誇ると良いですね!
次回“サステナブルなライフスタイル”の第二回は、12月1日(火)18:30~19:45。
『自然をつなげる持続可能で豊かな暮らしと住まい』と題して、
株式会社サスティナライフ森の家 代表取締役の大場江美氏にご登壇いただきます。
お申込みはこちら→
市民のための環境公開講座お申し込み
2020
11,24
11:38
市民のための環境公開講座パート2-3
CATEGORY[市民のための環境公開講座]
こんにちは、SOMPO環境財団の長沼です!
with コロナを踏まえて “無料のオンライン講座”として開講している
『市民のための環境公開講座』。
Part2の最終回は。『楽しく取り組む「捨てない」暮らし』と題して、
翻訳者の服部雄一郎氏と、パン屋さんの田村陽至氏に、対談形式でご講演をいただきました。
今回は東京、高知、広島の三ヵ所をオンラインでつなぐという、本講座初の試みでした!
服部さんは、元々町役場の廃棄物担当職員だったところ、庭でコンポストによるたい肥作り
に取り組んだことをきっかけにごみの削減に関心を持ち、政策を学びに米国へ留学されました。
ベア・ジョンソン氏の「ゼロウェイストホーム」を翻訳するなど、現在は翻訳家として活躍中。
1年間に出す燃えるゴミはなんと小瓶に一杯分程度だそうです!
田村さんは、“働きづめで疲弊している働き方”を変えたくてヨーロッパへ渡り、
「手を抜いているのに美味しいパンを作り」繁盛しているパン屋さんで勉強されたそうです。
現在は、ブーランジェリー・ドリアンという、“捨てないパン屋さん”として有名です。
お二人の対談を聞いて感じたことは、「できることを、楽しみながら」ごみの削減に
活かしているということ。
二人が口をそろえて仰っているのは「減らそうと思っていたわけではないのに、
楽しんでやっていたら結果としてごみが減っていた」ということです。
服部さんは、無理にごみをへらすのでなく、工夫することを楽しみながら
「捨てない暮らし」方を探していくということをモットーとされています。
そして、「これは必要」という固定観念から自由になると、快適な代替え方法が
けっこう見つかると仰います。本当に必要な物だけを買うようにすると、家もすっきり、
お金も使わない、自由な暮らしが可能だそうです。
また、田村さんは、“楽しく働き、みんなが喜ぶ”やり方を考えたら、その答えは
『手抜き』だと気づいたそうです。
オーストリアのパン屋さんは、製法は手抜きであっても材料がベストであったため、
労働時間は少なく、それでもお客さんが喜んで買っていく。結果としてパンを捨てずに済む。
別に100点満点でなくても70点くらいでよいと考えると余裕がでるそうです。
また、お二人は海外在住の経験からこうも仰っています。服部さんは、
「もっと自分らしくいていい。日本社会では同調圧力が強いが、海外は多様性を大切に
する文化。自分が信じる道を進むことが自分の生き方、そして環境問題へ取り組むスタンス
に繋がった」と話され、田村さんは、「日本人は惜しい!と思った。
日本人は真面目なので職人の世界では尊敬されているものの、お客や社会の要望に必死に
応え過ぎてしまう。職人の自己満足を捨て、『1億人に嫌われても300人に喜んでもらえばよい』くらいでよい。もっと考えるゆとりを持てればより良い方向へ進むと思う」と仰います。
今の日本社会には、田村さんが仰るように、“ゆとりをもって、手を抜きながらも、
みんなが喜ぶ生き方”が必要なのかもしれません。そんなライフスタイルを楽しまれている
雰囲気がお二人の対談から如実に伝わる良い講座でした!
次回Part3“サステナブルなライフスタイル”の第一回は、11月24日(火)18:30~19:45。
『お花屋さんからみた「サステナブルなライフスタイル」』と題して、
株式会社LORANS.代表取締役の福寿満希氏にご登壇いただきます。
お申込みはこちら→
市民のための環境公開講座お申し込み
2020
11,16
10:04
市民のための環境公開講座パート2-2
CATEGORY[市民のための環境公開講座]
こんにちは、SOMPO環境財団の長沼です!
with コロナを踏まえて “無料のオンライン講座”として開講している
『市民のための環境公開講座』。
Part2の第二回は、「新しい資源循環の道を目指して」と題して、
中部大学経営情報学部長・教授の細田衛士氏にご講演をいただきました。
今私たちは“新型コロナウィルス”という大きな社会的な課題に苦しんでいますが、
細田さんによると、人類の歴史の中には常に疫病との闘いがあり、私たちは何度も
その試練を乗り越えてきたのだそうです。
そして、ペストの後に宗教改革が起こり、コレラの後に公衆衛生の概念が生まれた
ように、疫病の時代の後には必ず新しい何かが生まれています。
では新型コロナの後には何が生まれるのか?それは、新しい資源循環の上に成り立つ
「緑の資本主義(グリーン・キャピタリズム)」です。
コロナ禍で感染防止のためのプラスチック容器や包装の利用が増えました。
ですが、一方で新素材やバイオプラスチックが開発され、ライフスタイルとして
マイボトルを持ち歩く人も増えています。
この新たな危機に直面し、徐々に「廃プラ」「脱プラ」の動きが加速してきている
ように見えます。
ただ、それでもまだ必要なプラスチックは多いですし、言い換えれば、
プラスチック無くしては今の社会は成り立たなくなってもいます。
そんな時、社会にとって不可欠なプラスチックを削減していくカギは
「ウェイスト・ヒエラルキー(廃棄物処理の優先順位の原則)」
と細田さんは仰います。まず「発生回避」、そして「リユース」「リサイクル」
「熱回収」「適正処理・処分」の順に検討し、とにかくプラの総使用量を減らす、
減らせないものは資源として循環させる。また、現在は、物質的な豊かさよりも
心の豊かさが求められる時代であり、人々の価値観は多様化してきています。
プラスチックが減少して、手に入る“モノ”が減ったとしても、その代わりに得られる
「環境配慮や次世代への配慮」などの“コト(事実として得られる精神的な豊かさ)”
を求める人々が増えていることも、このヒエラルキーの成立を後押しするのだそうです。
アフターコロナの時代においては、高付加価値な商品を長く使うことで廃棄物の
発生を回避し、高度な資源の循環利用により資源効率性の向上、将来世代への配慮
といった「新たなる市場化できない付加価値」を生み出すことが、緑の資本主義を
形作る鍵となります。
そしてそれが根付いた時に、“経済”、“環境・資源”、“社会”のトリプルウィンが
実現されるのです。
今回は少し難しいお話ではあったものの、この閉塞感のある時期に、希望が持てる
ストーリーを伺えたことは大きな収穫でした。
次回Part2の最終回は、11月17日(火)18:30~19:45。
『楽しく取り組む「捨てない」暮らし』と題して、
翻訳者の服部雄一郎氏と、パン屋さんの田村陽至氏に
対談形式でご登壇いただきます。
お申込みはこちら→
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2020
11,09
13:57
市民のための環境公開講座パート2-1
CATEGORY[市民のための環境公開講座]
こんにちは、SOMPO環境財団の長沼です!
with コロナを踏まえて “無料のオンライン講座”として開講している
『市民のための環境公開講座』ですが、今回からPart2「未来へバトンをつなぐ“お買い物”」
(3回シリーズ)が始まりました。
初回は、「私たちの選択が未来を変える -エシカル消費のすすめ‐」というタイトルで、
一般社団法人エシカル協会代表理事である、末吉里花氏にご講演いただきました。
人・社会・地球環境・地域に配慮した消費のことを指す「エシカル消費」。
末吉さんがこの問題に取り組んだきっかけは、あるクイズ番組のレポーターとして
キリマンジャロに登頂した時のこと。麓の村の子供たちが、生活に必要な水源である
山頂の氷河について、「(温暖化により)溶けた氷河が再び大きくなりますように」と
祈りながら木を植えていた姿を見て、“世界では一握りの権力者のために、美しい自然や
人々が犠牲になっている”と感じて、エシカルの問題をライフワークとすることを
決められたそうです。
末吉さんが特に問題意識を感じているのが「児童労働」です。
世の中には数多くの便利な道具やお洒落なファッションが溢れていますが、
その多くは途上国での児童労働によって生産されています。世界では今も10人に
一人の子供たちが労働に従事しており、私たちは普段その現実を知らずに商品を
購入しています。知らないということはとても危険なこと。なぜならば、
“問題”というものは、誰かに「問題である」と認知されて初めて“問題”となり得るから。
自分たちが購入し、消費する物がどこでどのようにして作られているのか?
あるいはそれらの物が環境にどの程度の負荷を与えているのか?
まず認識して、声を上げることで行政や企業に影響を与え、世の中を変えていく
ことが必要だと末吉さんは仰います。
そして、その「知る」と「知らない」の間にある壁を取り除く鍵が
“エシカル消費”でもあると。
ドイツの街中で行われた実験では、2ユーロで買えるTシャツの自販機にお金を
投入した人たちが「そのTシャツがどうやって生産されたか」を動画で見せられます。
それを見た殆どの人は、購入をやめて、お金をそのまま寄付する選択をしたそうです。
人々のその行動から見える真理は、“People care when they know(人は、知れば、
気にかける)”ということ。
(実験の様子はこちらからご覧頂けます→
The 2Euro T-shirt
)
私は、児童労働を始めとして、物やエネルギーの生産の裏側にある様々な問題に
ついては知らないことばかりです。ですが、知らないことを悩むより、まず知った上で
その後の選択を考えればよい。
末吉さんのお話からそんなメッセージを受け取って少し勇気づけられました。
次回Part2の第二回は、11月9日(月)18:30~19:45。
「新しい資源循環の道を目指して」と題して、
中部大学経営情報学部長・教授の細田衛士氏にご講演をいただきます。
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