SOMPO環境財団ブログ
公益財団法人SOMPO環境財団の公式ブログです。 財団の活動について発信いたします。


プロフィール

HN:
SOMPO環境財団
性別:
非公開

カテゴリー

未選択(1)
CSOラーニング制度(157)
市民のための環境公開講座(77)
学術研究助成(3)
環境保全プロジェクト助成(3)
その他(4)
インドネシアラーニング(2)

最新記事

【CSOラーニング制度】2025年度 10月関西・愛知・宮城・福岡地区定例会を開催しました!
(10/22)
2025年度市民のための環境公開講座【第7回】
(10/22)
【CSOラーニング制度】2025年度 10月関東地区定例会を開催しました!
(10/14)
2025年度市民のための環境公開講座【第6回】
(10/08)
2025年度市民のための環境公開講座【第5回】
(09/29)

RSS

RSS 0.91
RSS 1.0
RSS 2.0

リンク

管理画面
新しい記事を書く

P R

2020
11,16
10:04
市民のための環境公開講座パート2-2
CATEGORY[市民のための環境公開講座]
こんにちは、SOMPO環境財団の長沼です!
with コロナを踏まえて “無料のオンライン講座”として開講している
『市民のための環境公開講座』。
Part2の第二回は、「新しい資源循環の道を目指して」と題して、
中部大学経営情報学部長・教授の細田衛士氏にご講演をいただきました。



今私たちは“新型コロナウィルス”という大きな社会的な課題に苦しんでいますが、
細田さんによると、人類の歴史の中には常に疫病との闘いがあり、私たちは何度も
その試練を乗り越えてきたのだそうです。
そして、ペストの後に宗教改革が起こり、コレラの後に公衆衛生の概念が生まれた
ように、疫病の時代の後には必ず新しい何かが生まれています。
では新型コロナの後には何が生まれるのか?それは、新しい資源循環の上に成り立つ
「緑の資本主義(グリーン・キャピタリズム)」です。




コロナ禍で感染防止のためのプラスチック容器や包装の利用が増えました。
ですが、一方で新素材やバイオプラスチックが開発され、ライフスタイルとして
マイボトルを持ち歩く人も増えています。
この新たな危機に直面し、徐々に「廃プラ」「脱プラ」の動きが加速してきている
ように見えます。
ただ、それでもまだ必要なプラスチックは多いですし、言い換えれば、
プラスチック無くしては今の社会は成り立たなくなってもいます。
そんな時、社会にとって不可欠なプラスチックを削減していくカギは
「ウェイスト・ヒエラルキー(廃棄物処理の優先順位の原則)」
と細田さんは仰います。まず「発生回避」、そして「リユース」「リサイクル」
「熱回収」「適正処理・処分」の順に検討し、とにかくプラの総使用量を減らす、
減らせないものは資源として循環させる。また、現在は、物質的な豊かさよりも
心の豊かさが求められる時代であり、人々の価値観は多様化してきています。
プラスチックが減少して、手に入る“モノ”が減ったとしても、その代わりに得られる
「環境配慮や次世代への配慮」などの“コト(事実として得られる精神的な豊かさ)”
を求める人々が増えていることも、このヒエラルキーの成立を後押しするのだそうです。



アフターコロナの時代においては、高付加価値な商品を長く使うことで廃棄物の
発生を回避し、高度な資源の循環利用により資源効率性の向上、将来世代への配慮
といった「新たなる市場化できない付加価値」を生み出すことが、緑の資本主義を
形作る鍵となります。
そしてそれが根付いた時に、“経済”、“環境・資源”、“社会”のトリプルウィンが
実現されるのです。



今回は少し難しいお話ではあったものの、この閉塞感のある時期に、希望が持てる
ストーリーを伺えたことは大きな収穫でした。



次回Part2の最終回は、11月17日(火)18:30~19:45。
『楽しく取り組む「捨てない」暮らし』と題して、
翻訳者の服部雄一郎氏と、パン屋さんの田村陽至氏に
対談形式でご登壇いただきます。
お申込みはこちら→市民のための環境公開講座お申し込み

拍手


2020
11,09
13:57
市民のための環境公開講座パート2-1
CATEGORY[市民のための環境公開講座]
こんにちは、SOMPO環境財団の長沼です!
with コロナを踏まえて “無料のオンライン講座”として開講している
『市民のための環境公開講座』ですが、今回からPart2「未来へバトンをつなぐ“お買い物”」
(3回シリーズ)が始まりました。
初回は、「私たちの選択が未来を変える -エシカル消費のすすめ‐」というタイトルで、
一般社団法人エシカル協会代表理事である、末吉里花氏にご講演いただきました。



人・社会・地球環境・地域に配慮した消費のことを指す「エシカル消費」。
末吉さんがこの問題に取り組んだきっかけは、あるクイズ番組のレポーターとして
キリマンジャロに登頂した時のこと。麓の村の子供たちが、生活に必要な水源である
山頂の氷河について、「(温暖化により)溶けた氷河が再び大きくなりますように」と
祈りながら木を植えていた姿を見て、“世界では一握りの権力者のために、美しい自然や
人々が犠牲になっている”と感じて、エシカルの問題をライフワークとすることを
決められたそうです。

 

末吉さんが特に問題意識を感じているのが「児童労働」です。
世の中には数多くの便利な道具やお洒落なファッションが溢れていますが、
その多くは途上国での児童労働によって生産されています。世界では今も10人に
一人の子供たちが労働に従事しており、私たちは普段その現実を知らずに商品を
購入しています。知らないということはとても危険なこと。なぜならば、
“問題”というものは、誰かに「問題である」と認知されて初めて“問題”となり得るから。


自分たちが購入し、消費する物がどこでどのようにして作られているのか?
あるいはそれらの物が環境にどの程度の負荷を与えているのか?
まず認識して、声を上げることで行政や企業に影響を与え、世の中を変えていく
ことが必要だと末吉さんは仰います。
そして、その「知る」と「知らない」の間にある壁を取り除く鍵が
“エシカル消費”でもあると。



ドイツの街中で行われた実験では、2ユーロで買えるTシャツの自販機にお金を
投入した人たちが「そのTシャツがどうやって生産されたか」を動画で見せられます。
それを見た殆どの人は、購入をやめて、お金をそのまま寄付する選択をしたそうです。
人々のその行動から見える真理は、“People care when they know(人は、知れば、
気にかける)”ということ。

(実験の様子はこちらからご覧頂けます→The 2Euro T-shirt  )





私は、児童労働を始めとして、物やエネルギーの生産の裏側にある様々な問題に
ついては知らないことばかりです。ですが、知らないことを悩むより、まず知った上で
その後の選択を考えればよい。
末吉さんのお話からそんなメッセージを受け取って少し勇気づけられました。

次回Part2の第二回は、11月9日(月)18:30~19:45。
「新しい資源循環の道を目指して」と題して、
中部大学経営情報学部長・教授の細田衛士氏にご講演をいただきます。
お申込みはこちら→ 市民のための環境公開講座お申し込み

拍手


2020
09,25
13:28
市民のための環境公開講座 パート1-3
CATEGORY[市民のための環境公開講座]
こんにちは、SOMPO環境財団の長沼です!
with コロナを踏まえて “無料のオンライン講座”として開講している『市民のための環境公開講座』も、今回がPart1「生きものと気候変動」の最終回です。

第三回目は、「真のパラダイムシフトで地球環境を守ろう!」
というタイトルで、NHKエンタープライズ エクゼグティブプロデューサー
堅達京子氏にご講演いただきました。


堅達さんのお話は少しショッキングな内容で始まりました。
人間が開発を続けた結果、約100万種類の動植物が絶滅の危機に。
温暖化が進み、世界の氷が解けると新しい有害ウィルスが出現するかも。
森林火災の多発化で排出されるCO2が膨大な量に…。

これまでどこか遠い世界のことのように感じていたことが、説得力のある
お話しぶりで、とても身近な危機なのだと知り不安になります。
日本も例外ではありません。頻発する豪雨と猛暑。これまで「100年に一度の規模」と
言われていた気象災害が毎年のように起こるようになりました。



破壊されていく自然と進む温暖化。これに歯止めをかけるカギは、「グリーンリカバリー」
だと堅達さんは仰います。つまり、大量生産・大量消費・大量廃棄型の経済をやめて、
“持続可能な経済”へと転換するパラダイムシフトを起こすこと。

これまで人間が大量に生産して廃棄してきたプラスチック、マイクロプラスチックは
海に流れ、魚を通じた食物連鎖で私達の体の中にも取り込まれています。
また、地上で廃棄されたプラスチックからメタンやエチレンガスが発生しているという
報告も。このように、役割を終えた後のプラスチックは自然界にとって有害でしかない
のですが、今多くの国や自治体、企業が“脱プラスチック”へ向けた挑戦に乗り出している
そうです。
日本はようやくレジ袋が有料化されるなど、対策が遅れている感があるものの、
堅達さんは、「環境配慮を一日で成すことは難しい。私達一人一人ができることから始め、
そして地球を守ろうとしている企業や自治体を応援することが重要」と仰います。
お腹一杯にプラスチックを食べて死んでしまったかわいそうな海鳥。
それはもしかすると、行動を起こさなかった先にある人間の姿なのかもしれません。
私も今できることから始めようと思います。


次回Part2「未来へバトンをつなぐ“お買い物”」の第1回は、11月4日(水)18:30~19:45
「私達の選択が未来を変える エシカル消費のすすめ」と題して、
一般社団法人 日本エシカル協会 代表理事の末吉里花氏にご講演をいただきます。
お申込みはこちら→ 市民のための環境公開講座お申し込み

拍手


2020
09,23
13:47
市民のための環境公開講座パート1-2
CATEGORY[市民のための環境公開講座]
こんにちは、SOMPO環境財団の佐藤です。
1993年から継続して開催している『市民のための環境公開講座』、今年はwith コロナを踏まえて初めて “無料のオンライン講座”として開催しています。
Part1「生きものと気候変動」の第2回目となる9月16日は「もっと山や森の中へ いきものの痕跡を求めて」と題して、動物学者/「けもの塾」塾長の、今泉 忠明氏にご講演いただきました。



新潟県長岡市などに生息するノウサギは、真っ白な雪の中で天敵から身を隠すため、秋から冬にかけて茶色から白色に変化するそうです。異常気象で積雪が遅れると、白化によるカムフラージュが役立たず、天敵のキツネ、鷹、ワシに見つかってしまいます。ノウサギを主食とするキツネなどの生きものも、食糧がなくなります。



また、ホッキョクグマは氷の上で休んでいるアザラシやアシカを狩っていますが、地球温暖化で氷がなくなると狩りができなくなります。アザラシは氷の上で黒い毛のの子どもを出産しますが、温暖化で氷が解けるとワシに狙われるため、休む場所だけでなく子どもを育てる場所も失うそうです。



北極地方を人工衛星で監視しているNOAAというアメリカの海洋研究所があり、そこで1950年代の北極地方を真上から撮った映像では氷の地帯が白く残っていますが、2050年の予測では氷がほとんどなくなっているそうです。

地球の温暖化によって直接的な暑さで絶滅するのではなく、生息地がなくなったり、食糧がなくなったりと、生息環境が変化して生きられなくなる悪影響もあることに改めて気づきました。
人間が原因となっている地球温暖化などの環境変化は、生物の進化の速度よりも早く、大きな影響を与えていること、私も生きものたちと共に生きていくために、地球温暖化を抑える行動を心がけていきたいと思いました。
次回第3回は、9月23日(水)18:30~19:45
「真のパラダイムシフトで地球環境を守ろう!」と題して、NHKエンタープライズ エグゼクティブ・プロデューサーの堅達 京子氏にご講演をいただきます。

拍手


2020
09,10
11:40
市民のための環境公開講座 パート1-1
CATEGORY[市民のための環境公開講座]

こんにちは、SOMPO環境財団の長沼です!
1993年から継続して開催している『市民のための環境公開講座』が始まりました!
これまで毎年損保ジャパン新宿本社ビルで開催していましたが、今年はwith コロナを
踏まえて初めて “無料のオンライン講座”として開催することとなりました。
日本全国から、600名を超える参加者にオンラインで『市民のための環境公開講座』を
受講いただきました。

Part1「生きものと気候変動」の第1回目となる9月7日は
「気候危機・コロナ危機と社会の大転換」と題して、
国立環境研究所 地球環境リスクセンター 副センター長の、江守正多氏にご講演いただきました。


 


2015年に、世界の国々が気候変動への対策として結んだパリ協定の目標は、
「産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求する」こと。ですが、気温変化のシミュレーションでは、このまま何もせずにいると地球上の気温は、
2050年代頃から、産業革命以前との比較で4℃~8℃上昇してしまうそうです。





今回のコロナ禍による経済活動の停滞で、一時的に減少した世界のCO2排出量はピーク
時で17%程度、年換算だと7%の削減にしかならないとのこと。これではとても目標には
届きません。江守さんは「目標達成のためには、再生可能エネルギーをベースとした、
エネルギーの形の変化が必要。そしてそれを成すためには、人々の世界観の変化を促す
大転換(transformation)が必要」とおっしゃいます。

大転換なんて起こせるものだろうか?と少し不安になりましたが、世の中には
「国民の3.5%が“非暴力”を以て抗議すると必ず革命がおこる」というデータがあるそうです。
江守さんも、全員の意識を変える必要はない、本質的な関心を持つ人々が3.5%集まれば、
エネルギーシステムの変化は起こります、とおっしゃっていました。


 


人類は今化石燃料文明を卒業しようとする過程にあるそうです。
江守さんの分かりやすいご講演をうかがい、私もその3.5%の一人として、
大転換を起こした後の社会を見てみたいと思いました。




次回第2回は、9月16日(水)18:30~19:45
「もっと山や森の中へ」と題して、
動物学者/「けもの塾」塾長の今泉忠明氏にご講演をいただきます。
お申込みはこちら→ 市民のための環境公開講座 お申し込み

拍手


<<前のページ | HOME |次のページ>>